アセタルについて 説明いたします。
アセタルとは?
今まで入れ歯のツメは全て金属でした。ツメを隠すためアタッチメントといわれる装置をつけたり、ノンクラスプといわれる弾力のある素材を使用した床・ツメ一体型の入れ歯にしたりしましたが アセタルは歯と同じ白い樹脂なので従来の入れ歯と同じ構造で入れ歯を作ることが可能です。
素材としてのアセタルの特徴
- 人工心肺の臓器部分などにも使用され 生体親和性が高く安全性の高い樹脂素材です
- アレルギーの心配もありません
- 耐久性と耐摩耗性にも非常に優れています
- 吸水性がほとんどない
- 変色しない
- 熱で変形を起こすことがある
アセタルクラスプ(アセタルでできたツメ)の特徴
- 歯と同様の色なので 見た目が良い
- 適度な弾力があり 装着感が良い
- 吸水性がほとんどないので 衛生的
- 既存の入れ歯に後付が可能
- 繰り返し出し入れしてもゆるみにくい
- 1?3mmの薄さで製作可能
- 高温で変形を起こす。熱湯消毒は控えましょう。
歯の色に合わせることは可能ですか?
一口に歯の色と言ってもさまざまです。
前歯の被せ物を作るときに色を選択するように アセタルを作るときも色を選ぶことが可能です。
アセタルクラスプには 歯と同じ白系色が16色、歯肉色が3色、ホワイトニング色3色の合計22色あります。
金属クラスプ(ツメ)との違い
アセタルと金属のクラスプを比較します
- アセタルは見た目が良い。歯の色調と歯肉色と一致した審美的に補綴ができる
- アセタルは緩みにくい。10万回着脱しても変形・磨耗はほとんどない
- アセタルは適度な弾力があり疲れにくい
- アセタルは曲げて調整することはほぼできない
入れ歯全体を新しくしなければいけませんか?
ほとんどの場合 今お使いの入れ歯の具合がよければ 金属のツメを除去しアセタルに置き換えることが可能です。
アセタルは入れ歯の素材より弾力があるためアセタルを入れ歯に固定するためには 広めの範囲が必要となります。
入れ歯の厚みが薄い場合や 入れ歯の骨組み(バー等)の金属の位置によっては 維持力不足や入れ歯の強度低下を起こすため、置き換えができないことがあります。
またアセタルは入れ歯の床(ピンク色の部分)に固定しますので ご希望のツメが金属についている場合は置き換えが困難です。
ほほえみ歯科は入れ歯の修理屋ですので 改造ができる場合もありますが使用感は変わると思います。
さらに アセタルを使用した入れ歯が壊れて使用できなくなった場合 アセタル部分だけを取り出し 新しい入れ歯に付けることが可能です。ただしこの場合保険で新しく作った入れ歯に 以前の入れ歯から取り出したアセタルクラスプを置き換えることはできません。入れ歯は保険外で作った物に限ります。
アセタルクラスプの注意点
- 当院で作った保険の入れ歯にアセタルクラスプは使用できません。
保険外の入れ歯や他院で作った入れ歯は可能 - 高温で変形を起こすので コンロやストーブの周囲に置いてはいけません。熱湯消毒などもできません。
- 床部分の樹脂に固定しますので 極端に薄い場合や金属だけの場合はご利用いただけないことがあります。